Japanische Klassiker mit Furigana
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はぐるま
歯車
Lesen Sie 歯車 (はぐるま) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 25.267 Zeichen · 52 Bildschirme
しかも季節に縁のないレエン・コオトをひっかけていた。僕はいまもそのホテルの部屋に前の短篇を書きつづけている。真夜中の廊下には誰も通らない。が、時々戸の外に翼の音の聞えることもある。どこかに鳥でも飼ってあるのかも知れない。
二 復讐
僕はこのホテルの部屋に午前八時頃に目を醒ました。が、ベッドをおりようとすると、スリッパアは不思議にも片っぽしかなかった。それはこの一二年の間、いつも僕に恐怖だの不安だのを与える現象だった。のみならずサンダアルを片っぽだけはいた希臘神話の中の王子を思い出させる現象だった。僕はベルを押して給仕を呼び、スリッパアの片っぽを探して貰うことにした。給仕はけげんな顔をしながら、狭い部屋の中を探しまわった。
「ここにありました。このバスの部屋の中に」
「どうして又そんな所に行っていたのだろう?」
「さあ、鼠かも知れません」
僕は給仕の退いた後、牛乳を入れない珈琲を飲み、前の小説を仕上げにかかった。凝灰岩を四角に組んだ窓は雪のある庭に向っていた。僕はペンを休める度にぼんやりとこの雪を眺めたりした。雪は莟を持った沈丁花の下に都会の煤煙によごれていた。