Japanische Klassiker mit Furigana
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しのふちより
死の淵より
高見 順
Lesen Sie 死の淵より (しのふちより) von 高見 順 (たかみじゅん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 18.084 Zeichen · 38 Bildschirme
失われたタヌキ
君はどういうふうにして殺されたいか
われわれは自由を尊重するのだ
君は自由にどちらかを選ぶことができる
早く返事をしたまえ
なんでも食いたがる思想の豚
やい 早く 返事をしねえか
失われたタヌキ
おれの幼い頃には
タヌキが徳利をさげて
大ギンタマをぶらさげて
町の酒屋へ酒を買いに来たものだ
しょっちゅう会っているうちに友だちになったのだが
おれがおとなになったら
タヌキはどこかへ消えてしまった
そのタヌキは酔払うと
カッポレを踊ったり
キレイな娘に化けたりして
幼いおれを喜ばせたものだ
うまいうまいとおれは手をたたいた
これなら人間のおとなもころりとだませる
人をだますのは面白いだろうな
ふとタヌキはまじめな顔をして
幼いおれを相手にこう言ったものだ
坊や それは違うよ
人間さまをだますために化けるんじゃない
だまそうとしてだませるもんじゃない
これはおいらの楽しみなのさ
おいらひとりのケチな楽しみさ
坊や あのサクラをごらん
あれだってひとさまのために咲いてるんじゃない
普段ずいぶんとつらいおもいをしているのに
苦労を花に出してないのもえらいもんだ
あんなきたない枝から