Japanische Klassiker mit Furigana
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ははおや
母親
若杉 鳥子
Lesen Sie 母親 (ははおや) von 若杉 鳥子 (わかすぎとりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 7.750 Zeichen · 16 Bildschirme
本や、椅子や、卓子(テーブル)がごたごたと置き並べてある。医者にしては薬品のようなものもないようだし、雑誌社にしては汚らしいし、ハテ、それとも夜学の先生の処かしら――と思いながら、不安な気持ちで彼女は立っていた。
そこへ色の浅黒い眼鏡をかけた女が顔を出して、いった。
「どなたの、御家族の方ですか?」
「池田まささんという人に会いたいんですが――私は、青木の、青木みをの母です。」
「池田さん――」
眼鏡の女は奥の方へ声をかけてから、
「池田さんはいま洗濯してますから、上って待っていて下さい。」
台所で水を使う音がしていた。
彼女は、骨のはみ出した椅子に腰かけて周囲を見廻した。
三畳と八畳と二間ぶちぬいた真ン中に、大きな卓子が二つ頑ばっていて、眼鏡をかけた先刻の女が、傍目もふらずぺンを動かしてる。
彼女の腰かけている正面には、古本屋の倉庫のように、ズラリと本が並んでいる。横文字のも、おそろしくむずかしそうなのも、また文学書のようなのもあった。
しかし、まだもっと彼女を不思議がらせるものがあった。室の一隅の壁には、下から五六段ばかりの高い棚があって、質屋のように沢山の着物と帽子が載せてある。