Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あさまふんかこう
浅間噴火口
豊島 与志雄
Lesen Sie 浅間噴火口 (あさまふんかこう) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 11.938 Zeichen · 24 Bildschirme
」
「そうです。それが、家にいる時はよく分っていますが、外に出ると、忘れてしまいます。」
「忘れるなんて……。」
「忘れるんです。ばかです、僕は。」
李は拳で頭を二つ三つ叩いた。そしてふいに、眼をしばたたいた。
「おばさんは、こんどのこと、僕を叱りますか。」
正枝は苦笑した。
「叱るにも価しないんですか。」
正枝は眼を丸くした。李は涙ぐんでいた。
「叱って下さい。僕はおばさんに軽蔑されるのが一番悲しいんです。」
李がほろりと涙をこぼしたので、正枝は度を失った。あれからどんなに心配したか、江原さんも二人のことをどんなに心配したか、それを云ってきかせ、更に、李の室を無断でいろいろ検べたりして悪かったと、そんなことまで打明けた。
「ほんとですか。」と李は叫んだ。「そんなら嬉しいです。おばさんなら、どんなに室の中をひっかき廻されても、ちっとも構いません。世の中に、母親みたいな人は、たった一人きりありません。」
そこで、二人とも黙りこんだ。正枝はその時、不思議に尺八のことを思いだした。
「尺八がかかっていましたね。どうしてあんなところに下げとくんですか。」
李は俄に顔を輝かした。