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Japanische Klassiker mit Furigana

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うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

Lesen Sie 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.009 Zeichen · 249 Bildschirme

Aozora Bunko

点呼命令

全速三十五ノットの烈風がふきこむ。

暗い海面からは、生温かい海水が滝のように甲板の上にふってくる。

よく見ると、赤、青、黄、いろとりどりの標識灯が、飛行島の艦形をあらわしている。

護衛の飛行隊は、ずっと前方に出ていっているようだ。

両舷の彼方には、駆逐艦の灯火が見える。天候のせいか、それとも飛行島のあおりをくってか、駆逐艦は大分動揺しているようだ。

囂々たる機械音が、闇と海面とを圧していた。

飛行島の警衛は、完全のようであった。

いまは試運転中ではあるけれど、このような大袈裟な陣形が、やがて飛行島の渡洋攻撃のときにも採用されるのではなかろうか。

リット少将は、艦隊司令官になったような気で、大得意であった。

その時、副官が、リット少将の背後に近づいて声をかけた。

「閣下、警備飛行団長から、祝電がまいりました」

「ほう、祝電が」

「飛行島の竣工と、無事なる試運転を祝す――というのであります」

「無事なる試運転か。そうじゃ、この分なら試運転もまず無事に終りそうじゃな」

その通りであった。いま試運転が終ろうというのに、ただの一回も、非常警報の警笛をきかない。