Japanische Klassiker mit Furigana
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うかぶひこうとう
浮かぶ飛行島
海野 十三
Lesen Sie 浮かぶ飛行島 (うかぶひこうとう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 124.009 Zeichen · 249 Bildschirme
俺がかえってくるまでそこにじっと寝ているのだぞ。ここはちょっと普通の人間には踏みこめないところだから、安全な場所だ」
杉田はすこし心細く感じたが、何事も国家のためだと思い、機関大尉の出てゆく男らしい後姿を見送った。
すると一旦外に出かけた彼は、なにを思いだしたか、つかつかと室内へ戻ってきた。そして杉田の耳許に口をつけると、
「おい杉田、万一お前が捕らえられるようなことがあったら、そのときは官姓名をはっきり名乗ったがいいぞ。もう向こうにはわかっているのだ。そうすれば殺される心配がない。そういうことになれば俺はきっとお前を救い出しにゆくから、さっきみたいに、自殺しようなどと考えてはいけないぞ。皇国のため、どんな苦しい目にあっても生きていろ。いいか」
そういうと、川上機関大尉はペンキの入った缶をぶら下げて、外へ出ていってしまった。
血路
ペンキ工の機関大尉は、暗がりの中をとことこと歩いていった。
あたりの様子をうかがいながら、狭い廊下の角をいくつか曲った。そしてやがて辿りついたのは、飛行島の舷だった。深夜の海面には祖国の夜を思い出されるような月影がきらきらとうつっていた。