Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
かと思うとフト口を鉗んで真面目に成ッて、憶出したように額越しに文三の顔を眺めて、笑うでも無く笑わぬでもなく、不思議そうな剣呑そうな奇々妙々な顔色をする。
食事が済む。お勢がまず起上ッて坐舗を出て、縁側でお鍋に戯れて高笑をしたかと思う間も無く、忽ち部屋の方で低声に詩吟をする声が聞えた。
益々顔を皺めながら文三が続いて起上ろうとして、叔母に呼留められて又坐直して、不思議そうに恐々叔母の顔色を窺ッて見てウンザリした。思做かして叔母の顔は尖ッている。
人を呼留めながら叔母は悠々としたもので、まず煙草を環に吹くこと五六ぷく、お鍋の膳を引終るを見済ましてさて漸くに、
「他の事でも有りませんがネ、昨日私がマア傍で聞てれば――また余計なお世話だッて叱られるかも知れないけれども――本田さんがアアやッて信切に言ておくんなさるものを、お前さんはキッパリ断ッておしまいなすッたが、ソリャモウお前さんの事たから、いずれ先に何とか確乎な見当が無くッてあんな事をお言いなさりゃアすまいネ」
「イヤ何にも見当が有ッてのどうのと云う訳じゃ有りませんが、唯……」
「ヘー、見当も有りもしないのに無暗に辞ッておしまいなすッたの」