Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
第六回 どちら着ずのちくらが沖
その夜文三は断念ッて叔母に詫言をもうしたが、ヤ梃ずったの梃ずらないのと言てそれはそれは……まずお政が今朝言ッた厭味に輪を懸け枝を添えて百万陀羅并べ立てた上句、お勢の親を麁末にするのまでを文三の罪にして難題を言懸ける。されども文三が死だ気になって諸事お容るされてで持切ッているに、お政もスコだれの拍子抜けという光景で厭味の音締をするように成ッたから、まず好しと思う間もなく、不図又文三の言葉尻から燃出して以前にも立優る火勢、黒烟焔々と顔に漲るところを見てはとても鎮火しそうも無かッたのも、文三が済ませぬの水を斟尽して澆ぎかけたので次第々々に下火になって、プスプス燻になって、遂に不精々々に鎮火る。文三は吻と一息、寸善尺魔の世の習い、またもや御意の変らぬ内にと、挨拶も匆々に起ッて坐敷を立出で二三歩すると、後の方でお政がさも聞えよがしの独語、
「アアアア今度こそは厄介払いかと思ッたらまた背負込みか」
第六回 どちら着ずのちくらが沖
秋の日影も稍傾いて庭の梧桐の影法師が背丈を伸ばす三時頃、お政は独り徒然と長手の火鉢に凭れ懸ッて、斜に坐りながら、火箸を執て灰へ書く、楽書も倭文字、牛の角文字いろいろに、心に物を思えばか、怏々たる顔の色、動もすれば太息を吐いている折しも、表の格子戸をガラリト開けて、案内もせず這入ッて