Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
アア曾て身の油に根気の心を浸し、眠い眼を睡ずして得た学力を、こんなはかない馬鹿気た事に使うのかと、思えば悲しく情なく、我になくホット太息を吐いて、暫らくは唯茫然としてつまらぬ者でいたが、イヤイヤこれではならぬと心を取直して、その日より事務に取懸る。当座四五日は例の老人の顔を見る毎に嘆息而已していたが、それも向う境界に移る習いとかで、日を経る随に苦にもならなく成る。この月より国許の老母へは月々仕送をすれば母親も悦び、叔父へは月賦で借金済しをすれば叔母も機嫌を直す。その年の暮に一等進んで本官になり、昨年の暑中には久々にて帰省するなど、いろいろ喜ばしき事が重なれば、眉の皺も自ら伸び、どうやら寿命も長くなったように思われる。ここにチト艶いた一条のお噺があるが、これを記す前に、チョッピリ孫兵衛の長女お勢の小伝を伺いましょう。
お勢の生立の有様、生来子煩悩の孫兵衛を父に持ち、他人には薄情でも我子には眼の無いお政を母に持ッた事ゆえ、幼少の折より挿頭の花、衣の裏の玉と撫で愛まれ、何でもかでも言成次第にオイソレと仕付けられたのが癖と成ッて、首尾よくやんちゃ娘に成果せた。