Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
それも、お勢に云わせれば、昇が宜しく無いので、此方で真面目にしているものを、とぼけた顔をし、剽軽な事を云い、軽く、気無しに、調子を浮かせてあやなしかける。それ故、念に掛けて笑うまいとはしながら、おかしくて、おかしくて、どうも堪らず、唇を噛締め、眉を釣上げ、真赤になッても耐え切れず、つい吹出して大事の大事の品格を落してしまう。果は、何を云われんでも、顔さえ見れば、可笑しくなる。「本当に本田さんはいけないよ、人を笑わしてばかりいて」。お勢は絶えず昇を憎がッた。
こうお勢に対うと、昇は戯れ散らすが、お政には無遠慮といううちにも、何処かしっとりした所が有ッて、戯言を云わせれば、云いもするが、また落着く時には落着いて、随分真面目な談話もする。勿論、真面目な談話と云ッたところで、金利公債の話、家屋敷の売買の噂、さもなくば、借家人が更らに家賃を納れぬ苦情――皆つまらぬ事ばかり。一つとしてお勢の耳には面白くも聞こえないが、それでいて、両人の話している所を聞けば、何か、談話の筋の外に、男女交際、婦人矯風の議論よりは、遥に優りて面白い所が有ッて、それを眼顔で話合ッて娯しんでいるらしいが、お勢にはさっぱり解らん。