Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
うとすれば、お勢はツイと彼方を向いて「アラ鳶が飛でますヨ」と知らぬ顔の半兵衛模擬、さればといって手を引けば、また意あり気な色目遣い、トこうじらされて文三は些とウロが来たが、ともかくも触らば散ろうという下心の自ら素振りに現われるに「ハハア」と気が附て見れば嬉しく難有く辱けなく、罪も報も忘れ果てて命もトントいらぬ顔付。臍の下を住家として魂が何時の間にか有頂天外へ宿替をすれば、静かには坐ッてもいられず、ウロウロ座舗を徘徊いて、舌を吐たり肩を縮めたり思い出し笑いをしたり、又は変ぽうらいな手附きを為たりなど、よろずに瘋癲じみるまで喜びは喜んだが、しかしお勢の前ではいつも四角四面に喰いしばって猥褻がましい挙動はしない。尤も曾てじゃらくらが高じてどやぐやと成ッた時、今までしそうに笑ッていた文三が俄かに両眼を閉じて静まり返えり何と言ッても口をきかぬので、お勢が笑らいながら「そんなに真面目にお成なさるとこう成るからいい」とくすぐりに懸ッたその手頭を払らい除けて文三が熱気となり、「アア我々の感情はまだ習慣の奴隷だ。お勢さん下へ降りて下さい」といった為めにお勢に憤られたこともあッたが……しかしお勢も日を経るままに草臥れたか、余りじゃらくらもしなくなって、高笑らいを罷めて静かになッて、この頃では折々物思いをするようには成ッたが