Japanische Klassiker mit Furigana
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うきぐも
浮雲
二葉亭 四迷
Lesen Sie 浮雲 (うきぐも) von 二葉亭 四迷 (ふたばていしめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 112.980 Zeichen · 222 Bildschirme
今も今母親の写真を見て文三は日頃喰付けの感情をおこし覚えずも悄然と萎れ返ッたが、又悪々しい叔母の者面を憶出して又熱気となり、拳を握り歯を喰切り、「糞ッ止めて止まらぬぞ」ト独言を言いながら再び将に取旁付に懸らんとすると、二階の上り口で「お飯で御座いますヨ」ト下女の呼ぶ声がする。故らに二三度呼ばして返事にも勿躰をつけ、しぶしぶ二階を降りて、気むずかしい苦り切ッた怖ろしい顔色をして奥坐舗の障子を開けると……お勢がいるお勢が……今まで残念口惜しいと而已一途に思詰めていた事ゆえ、お勢の事は思出したばかりで心にも止めず忘れるともなく忘れていたが、今突然可愛らしい眼と眼を看合わせ、しおらしい口元で嫣然笑われて見ると……淡雪の日の眼に逢ッて解けるが如く、胸の鬱結も解けてムシャクシャも消え消えになり、今までの我を怪しむばかり、心の変動、心底に沈んでいた嬉しみ有難みが思い懸けなくもニッコリ顔へ浮み出し懸ッた……が、グッと飲込んでしまい、心では笑いながら顔ではフテテ膳に向ッた。さて食事も済む。二階へ立戻ッて文三が再び取旁付に懸ろうとして見たが、何となく拍子抜けがして以前のような気力が出ない。