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Japanische Klassiker mit Furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme

Aozora Bunko

「船長!」と、三上は、思わず叫んだ。

船長はビックリした。危うくトランクを取り落とそうとしたほどビックリした。そして何も考える間もなく、三上は船長の前に立ちふさがった。

「どうしたんだ。わからねえや」三上は啀むように怒鳴った。

小倉は、静かに、黙って、成り行きを見ていた。「おれはこの場合すべき事を知っているんだ。ものは始まってからでなければ済むものではない。だが、それはまだ始まっていないんだ!」

「小倉に金を渡しといたから、あれで何か食べて帰れ!」船長は、自分の立っているところが、まだ波止場であることは、非常に形勢を不利にすると、考えていた。――逃げるには逃げられぬわい――

三上は、黙って、船長の前に突っ立っていたが、やがて、身を引いた。

船長はホッとしながら歩きかけた。三上はまた突然その前へ行って立ちふさがった。

――今度は何か起こる――と、船長も、小倉もとっさに感じた。

三上は万寿丸で、一番強力だった。横痃のはじけそうな時でも、二人分の力持ちを、平気でやった男だ。

「忘れちゃいないね」と、三上はうなった。

「あ、そうか、そうか」と、船長はいって、またポケットへ手を突っ込んだ。