Japanische Klassiker mit Furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Lesen Sie 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) von 葉山 嘉樹 (はやまよしき) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 161.305 Zeichen · 321 Bildschirme
といった。
「それじゃ、胸を内科で診察してもらうんですか」波田がきいた。
「そう、その方がいいね。足は絶対に動かしちゃいけないよ。五日か一週間のうちに、もう一度来てください」
「は」と藤原は答えて、二人はボーイ長を抱えて、内科の方へ行った。
一週間、以内なんぞに来られやしない――ことは皆を困らし、途方に暮れさせた。が、まあ、内科の方が、済んでから考えることにしようと、言い合わせたように、皆が考えた。それは、痛い傷に触れたくないような状態であった。
内科の医者は「熱が夕方になると出るだろう」とたずねた。ところが船には、ともは知らずおもてには、検温器などは見たこともなかった。従って、熱もあるにはたしかにあるんだが、高すぎるのか、低すぎるのか、皆目見当がつかなかった。
「計ったことがないんですが、実は、検温器がないんですから」藤原が答えた。
「夕方になると、気分が悪くなったり、寒けがしたりしやしないかい」医者はきいた。
「ええ、しょっちゅう傷は痛いんですが、気分がぼんやりして来るのは、夕方です。何だか、妙な夢なんぞ見て、うなされたりします。それに、寒けも夕方になると、きっと来ます」