Japanische Klassiker mit Furigana
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かいなんき
海難記
久生 十蘭
Lesen Sie 海難記 (かいなんき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.628 Zeichen · 56 Bildschirme
南大西洋の波に浮ぶ巨大な筏の上でどういう事態がひき起ったか。その一部は生存者の陳述や手記である程度まで明らかにされるが、神秘めかした海洋劇の性格を説明するために、最初に筏を発見したレーノォ捜査隊指揮官の手記を抜萃してみよう。
「ラ・メデュウズの筏を発見したのは、僥倖中の僥倖というようなものであった。われわれはマリゴ(セネガルの支流)河口の北からミリク岬までの間、快走艇と艀を含む四隻の舟艇の乗員を救助し、使命の大半を果したので、翌朝※(「勹<夕」、第3水準1-14-76)々帰還することにきめていた。ラ・メデュウズから食糧や金貨を取りだすという任務が残っていたが、出発以来もう七日で水の貯えも乏しくなり、毎日、逆風が吹きつづくのに、アルグゥイーンの浮洲まで四十浬もあるというのでは、そこまでの仕事を仕終すことは、とうてい不可能だと思われたからである。」
風が変らず、ラルギュスの艦長が気紛れな考えをおこさなかったら、十七日の早朝、基地にひきかえしていたであろうから、永久に筏を発見することは出来なかった。ところで、十七日の朝になって急に風が南西に変り、まっすぐに浮洲のほうへ吹きだした。