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Japanische Klassiker mit Furigana

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かいなんき

海難記

久生 十蘭

Lesen Sie 海難記 (かいなんき) von 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 28.628 Zeichen · 56 Bildschirme

Aozora Bunko

六隻の端艇のうちの二隻は、思いもかけぬ僥倖によってサン=ルイ島に辿りついたが、あとの四隻に乗った百八十八名は、海が恐いというだけの理由で端艇を捨て、流賊の出没する、水も草も一点の日蔭もないサハラ沙漠の中で、それぞれが生けるなりの姿であらゆる愚行を演じ、自分から悪運をひきだしていよいよ不幸を深めて行く。「君主」を書いたピェール・ミルはこういっている。

「どいつもこいつも、未練で、卑怯で、大嘘つきばかりだ。この百八十何人かのなかで、いくらか人間らしいやつは、豹に食いちぎられた細君の首のミイラを最後まで離さなかったゲランという軍曹だけだ。それも、どこまで真実なのかわかったものではない。好んで二人だけで独行していたので、誰も見たものはない。吐こうと思えば、どんな嘘だってつけるのだから」

筏に乗った百四十九名の境遇もまた比類のないものであった。それほどの人間を乗せた、砲艦の一隻分ほどもある木材の巨大な結束が、うやむやのうちに自分らをサン=ルイ島まで運んで行ってくれるかも知れないという、放埓な夢想に耽りだしたところから悪運がはじまった。乗合のうちの百二十二名は、掠奪と放火をこの世の生甲斐にしている無智兇暴な外国人の傭兵の寄せ集めで、なおまた、わずか百人あまりの人間が瑞西、バヴァリヤ、伊太利、西班牙、プロシャ、リュクサンブルグ