Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ゆなのたましい

湯女の魂

泉 鏡花

Lesen Sie 湯女の魂 (ゆなのたましい) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 27.936 Zeichen · 55 Bildschirme

Aozora Bunko

するとまだ声を懸けない先に、二階ではその灯を持って、どこへか出たと見えて、障子が暗くなりました。しばらく待っていても帰りませぬ。

下へ下りたのであろうも知れぬ、それならばかえって門口で呼ぶ方が早手廻しだと、小宮山はまた引返して参りますと、つい今錠の下りていた下宿屋の戸が、手を掛けると訳もなく開きましたと申します。

何事も思わず開けて入り、上框に立ちましたが、帳場に寝込んでおりますから、むざとは入らないで、

「篠田、篠田。」

と高らかに呼わりますると、三声とは懸けさせず、篠田は早速に下りて来て、

「ああ、今帰ったのかえ、さあさあまあ上りたまえ。」

と急遽先に立ちます。小宮山は後に跟いて二階に上り、座敷に通ると、篠田が洋燈を持ったまま、入口に立停って、内を透し、

「おや、」と言って、きょろきょろ四辺をしておりまするが、何か気抜のしたらしい。小宮山はずっと寄って、その背を叩かぬばかり、

「どうした。」

「もう何も彼も御存じの事だから、ちっとも隠す事はない、ただ感謝するんだがね、君が連れて来て一足先へ入ったお雪が、今までここに居たのに、どこへ行ったろう。」

と真顔になって申しまする。