Japanische Klassiker mit Furigana
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まんかんところどころ
満韓ところどころ
Lesen Sie 満韓ところどころ (まんかんところどころ) von Natsume Sōseki (夏目 漱石) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 74.601 Zeichen · 148 Bildschirme
樹の下を潜って二十間も来ると、向うの方に橋本始め連中が床几に腰をかけて梨を食っている。腕に金筋を入れた駅長までいっしょである。余も同勢に交って一つ二つ食った。これは胃の中に何か入れると、一時痛みが止むからである。そうしてまた畠の中をぐるぐる歩き出した。ここの梨はまるで林檎のように赤い色をしている。大きさは日本の梨の半分もない。しかし小さいだけあって、鈴なりに枝を撓わして、累々とぶら下っているところがいかにもみごとに見える。主人がその中で一番旨い奴を――何と云ったか名は思い出せないが、下男に云いつけて、笊に一杯取り出さして、みんなに御馳走した。主人は背の高い大きな男で、支那人らしく落ちつきはらって立っている。案内の話では二千万とか二億万とかの財産家だそうだが、それは嘘だろう。脂の強い亜米利加煙草を吹かしていた。
梨にも喰い飽きた頃、橋本が通訳の大重君に、いろいろ御世話になってありがたいから、御礼のため梨を三十銭ほど買って帰りたいと云うような事を話してくれと頼んでいる。それを大重君がすこぶる厳粛な顔で支那語に訳していると、主人は中途で笑い出した。三十銭ぐらいなら上げるから持って御帰りなさいと云うんだそうである。