Japanische Klassiker mit Furigana
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
Lesen Sie 澪標・落日の光景 (みおつくし) von 外村 繁 (とのむらしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.889 Zeichen · 268 Bildschirme
しかしこの布はこの竿に干されるためにあるのではない。その持主の体を包むためにあるのである。所有者の肉体を包んでいる関係と切り離して、私がこの布を見ることができないのも、また止むを得ないことであろう。
私はこの布が、所有者の肉体の哀歓、いずれを包んでいるかは、知る由もない。しかし包んでいるものも、包まれているものも、所有者にとっては等しく「私」のものである。私は「私」のものの哀しみ、歓びも知りつくした。その布が包んでいるものの羞恥も、その布の色を通じて実感できる。しかし私は赤い布の前にいつまでも立停っているわけにはいかない。実際は、一寸その赤い布を目に入れたまま、私は街を歩いているのである。しかしそれでよいのである。何も彼もそれでよいのである。私はむしろ楽しげな微笑を浮かべ、歩いて行くより他はない。
毎朝、私は目を覚ますと、妻の手を取り、妻の体を抱き寄せる。それから私の顔を妻の顔に摩りよせ、互の無事を確め合う。まるでそれが朝の挨拶のようにもなっている。
時には、私は妻の胸を開くこともある。妻の胸には二つの白い乳房がある。が、最早、二つの乳房は、妻の「私」