Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

みおつくし

澪標・落日の光景

外村 繁

Lesen Sie 澪標・落日の光景 (みおつくし) von 外村 繁 (とのむらしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.889 Zeichen · 268 Bildschirme

Aozora Bunko

私と妻とは互のコップにビールを注ぎ合い、乾杯する。

「涼しいね」

「ほんとに、あら、だめですわ」

灰皿の煙草の灰がすっかり飛んでしまっている。妻は灰皿にビールを流す。掛物の軸が絶えず壁を叩いている。

「ね、そう言えば、花時に、山形へ行ったことはないんだね」

「どうしたんです。突然に」

「別に、どうしたってことはないが……」

何故、突然こんなことを言い出したか、自分ながら判らない。しかし言葉の序のように、私は言う。

「来年の春は、山形へ行こうじゃないか」

「はい、行きましょう」

「梅も、桜も、桃も一時に咲くんだってね。あんな大きな景色の中だと、白梅や、桜だけでは、少し淋しいかも知れないね」

「四月の末でしょうね。みんな一ぺんに咲いて、嬉しかったものですわ」

「上野からだと、全く春が、山に来た、里に来た、野にも来たって、感じだろうからね」

「女学生の時でしたわ、花が満開だというのに、雪が降ってね、その上、夜になると大きな月が出て、素晴らしかったですわ」

「それは凄かったろうな。しかし今の僕には少し壮絶に過ぎる。僕はやっぱり花の村だ。軒端には梅が咲いている。山吹も咲いている。