Japanische Klassiker mit Furigana
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
Lesen Sie 澪標・落日の光景 (みおつくし) von 外村 繁 (とのむらしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.889 Zeichen · 268 Bildschirme
しかしそれに類する如何なる感情も、二人の間には禁忌されねばならないことを、私は知らされていた。
私達の一族には忌むべき遺伝がある。劣性遺伝であるから、血族結婚は避けなければならないのである。が、ともすると私の目は美保子の体を追いたがる。私の目は既に美保子が縁側に上る時、その脹脛に白い力瘤が入るのを知っている。また美保子は風呂場に入る時、必ずガラス窓を締める。が、私の目は既に消しガラスに映る、美保子の肩の丸さを覚えている。
ある日、私が門を出て、石橋の上に立った時、向こうから連れ立って帰って来る淑子と、美保子の姿を認める。淑子の大柄な肢体に、私はあの楽書を思い出し、思わず顔が真赤になる。淑子の顔も、美保子の顔も同じく赤くなったかも知れぬ。私は色欲の厭らしさを痛感する。
八月、私は旅行に出た。「藤村詩集」などの影響から、私は長野県の風物に憧憬を抱いていた。長野県の伊那にいる、三高の友人を訪ねる。友人の母は早速茄子を刻んで、茶を進めてくれる。そんな鄙びた振舞いがすっかり私を愉しくさせた。
友人は私を更に高原の別宅に伴い、そこで起居することになる。朝露、散歩、夕立、涼風、夕映。