Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かせいたんけん

火星探険

海野 十三

Lesen Sie 火星探険 (かせいたんけん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 77.522 Zeichen · 155 Bildschirme

Aozora Bunko

車体のペンキ塗りは後まわしにして、二人はいやに重いヘッド・ライトの取付にかかった。

「おい。おい、もう時刻が来たぞ。扉をあけてもいいか」

「まだまだまだ、待て待て。もうすこし待って居れ」

「戴冠式の自動車でもこしらえているつもりなんだろう。あんまりすばらしい自動車を見せて、僕たちをうらやましがらせるなよ」

「わかっている、わかっている」

ヘッド・ライトが取付けられると、あとは出発の時間まで五分しか残っていなかった。

「ペンキぬりをする時間がありゃしないよ」

「困ったなあ、この恰好じゃ仕様がないよ。箱の横腹にいっぱい牛の絵がついているんだものねえ」

「でも、出発の時刻をくるわせることはできないよ。困ったねえ」

外からは小屋の扉をどんどん叩く。その音がだんだんはげしくなって、もうすぐ扉が壊れそうであった。

「仕方がない。これで行こうや」

「えっ、そうするか」

「こうなったら心臓だ、さあ、早く修理道具を集めて車にのっけてしまおう」

遂に待ちに待った小屋の扉が左右にひらかれた。前に集まっていた二十何人の友だちは一せいに歓声をあげた。自動車は小屋の中から、がたがたと音をさせて外に姿をあらわした。