Japanische Klassiker mit Furigana
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かやくせん
火薬船
海野 十三
Lesen Sie 火薬船 (かやくせん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.552 Zeichen · 124 Bildschirme
“火ヤク船ダ。オレハノコルヨ”
彼は、たてつづけに二三度、それをよみかえした。しかし、そのいみを諒解するには、まだその上、五六度もよみかえさねばならなかった。そして、その真意がわかったとき、丸木のからだは、昂奮でぶるぶるふるえだした。
「うむ、“火薬船だ、俺は残るよ”そうか、このノーマ号は火薬をつんだ船なのか、それで、竹見のやつが、この船にのこるというのか」
丸本は、ちらと、竹見の方に、すばやい眼をはしらせた。
“どうだナイフにつけてやった手紙の文句のいみが分るか”
と、いいたげな竹見の目附であった。
「竹見の奴、このノーマ号が火薬船だから残るというが、火薬船なら、なぜ残らなければならないのか」
こいつは、ちょっとばかり謎がむずかしい。丸本には、竹見の意中が、どうもよく分らなかった。が、それが分らないといって、ぐずぐずしていられないこの場であった。
そのとき、丸本のかたをたたいたものがある。それは事務長だった。
「おい、丸よ。なにをぐずぐずしているんだ。はやく、その麻紐を、手元へ引ぱれ」
そうだ、麻紐の一端が、脱船水夫の竹見の片手を、しっかりと捉えているのだ。