Japanische Klassiker mit Furigana
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とうみょうのまき
灯明之巻
泉 鏡花
Lesen Sie 灯明之巻 (とうみょうのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.444 Zeichen · 47 Bildschirme
紀州の毬唄で、隠微な残虐の暗示がある。むかし、熊野詣の山道に行暮れて、古寺に宿を借りた、若い娘が燈心で括って線香で担って、鯰を食べたのではない。鯰の方が若い娘を、……あとは言わずとも可かろう。例証は、遠く、今昔物語、詣鳥部寺女の語にある、と小県はかねて聞いていた。
紀州を尋ねるまでもなかろう。
……今年はじめて花見に出たら、寺の和尚に抱きとめられて、
高い縁から突落されて、笄落し、小枕落し……
古寺の光景は、異様な衝動で渠を打った。
普通、草双紙なり、読本なり、現代一種の伝奇においても、かかる場合には、たまたま来って、騎士がかの女を救うべきである。が、こしらえものより毬唄の方が、現実を曝露して、――女は速に虐げられているらしい。
同時に、愛惜の念に堪えない。ものあわれな女が、一切食われ一切食われ、木魚に圧え挫がれた、……その手提に見入っていたが、腹のすいた狼のように庫裡へ首を突込んでいて可いものか。何となく、心ゆかしに持っていた折鞄を、縁側ずれに炉の方へ押入れた。それから、卵塔の草を分けたのであった。――一つは、鞄を提げて墓詣をするのは、事務を扱うようで気がさしたからであった。