Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのきおく
灰色の記憶
久坂 葉子
Lesen Sie 灰色の記憶 (はいいろのきおく) von 久坂 葉子 (くさかようこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.588 Zeichen · 132 Bildschirme
体があまり丈夫でなく、戦時中の疲労がその頃になって出て来て、私は歩くことさえ苦痛であったから、医者の診断を出して時々の欠課を大目にみてもらっていた。私は休養室で寐ながら、青空をみていた。小さな翻訳小説をふとんの中に押し入れてよんだりした。だんだん大胆になって、早退し、帰りに古い洋ものの活動写真をみに行ったりした。不良少女はほんものになって来た。私は一日学校をさぼって京都の寺院を訪ねたりすることもした。家には内緒で欠席届をかいて出した。私は、空気が自分の体に痛みを与えるように感じだした。秋の空気は真空のようであった。私は自分が生きてゆくことが非常に不安になりだした。何故生きるんだろうかと考えた。そこには何も幸福らしい幸福は発見出来なかった。私は、勝手気儘に生きたいと思いながら、それが不可能であることを知っていた。規則。法律。そして、未だに封建的な固いからをかぶっている家庭。学校での興味のない生活。数学をといても、商業の形式をならっても私とは凡そかけはなれた無理な勉強であった。私は何も喜びを見出すことが出来なくなった。束縛を嫌い、しかもその束縛からぬけ出る方法を知らなかった。