Japanische Klassiker mit Furigana
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むだい(いち)
無題(一)
宮本 百合子
Lesen Sie 無題(一) (むだい(いち)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 20.502 Zeichen · 41 Bildschirme
声はローズにちがいありません。少年は、二階にかけ上りました。一番はじのまどをあけて歌の調子に合せる様に、
詩「ローズ、ローズ、私よ」高く低く夢を見るような声で。
歌の声はやんで白い姿がやみの中にうくように見えます。
詩「ローズ、なぜ歌をやめたの、私は今まで書いていたけれ共貴女のうたにさそわれてここまで来たのに」女のような声でうらむように云いました。
詩人の頬は少しあつくなりました。白いかげは云いました。
ロ「私は貴方の声をしばらく聞きませんワ。どうぞ一つきかせてちょうだい。美くしい可愛い私の弟」ふるえている声です。空に月はありません。小ぬか星はキラキラまたたいて下の芝生に白い花は見上げるように咲いています。詩人はそれを見下してその目を上げて云いました。
詩「姉さま、私の姉さま、何かうたいましょう、そしたら姉さまも一つ」
詩人はそのやさしい腕をむねにくんで赤い唇を開いて詩いました、それは即興の美くしいやさしい詩でした。それは、「私は今美くしいローズの香をあびて身をふるわして居る。けれ共、意志の悪い夜のとばりは黒いまくでおおってしまってどうしても私に姿を見させて呉れない。