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Japanische Klassiker mit Furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Lesen Sie 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) von 林 不忘 (はやしふぼう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 86.705 Zeichen · 173 Bildschirme

Aozora Bunko

」

「力――世の中は力であるということを、私は田万里の滅亡を前にして、つくづく考えさせられたのです。」

とすぐ大次郎は、誰にともなく口をひらいた。

千浪は大きく頷首いて、髪から、簪を抜き取った。そして、大次郎の口もとから眼を離さずに、横ざまに片手をさし伸べて、行燈の灯立ちを均らした。

執念三羽烏

七年前、田万里が亡んだ時、伴大次郎は二十歳だった。

同じ人間でありながら、大名であるがゆえに、力を有っているがために、すべての悪虐非行を押しとおしてゆく――そのありさまを眼のあたりに見て、彼は、力だ! 力こそ万事を決定すると、若いこころにつよく、深く感じるところあったというのだ。

「力さえあれば、早い話が、出羽守に一矢報いようと思えば、それもできるかもしれない。いや、これは、かりのはなしですが、世間は、力以外にはなにものもないと――。」

「話しちゅうだが。」と法外が、

「その、出羽に一矢報いようというのは、本心ではないのかな。」

と声を低めて、

「大次郎、ここには、この弓削法外と千浪のほか、誰もおらぬ。打ち明けても仔細ないぞ。」

大次郎の眼に、異常な光りがきていた。