Japanische Klassiker mit Furigana
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ばくやくのはなかご
爆薬の花籠
海野 十三
Lesen Sie 爆薬の花籠 (ばくやくのはなかご) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 101.908 Zeichen · 204 Bildschirme
あやしい血痕のことについて、この三等食堂へかけつけ、取りしらべをしていた事務長は、しらべをやめて、ろうかの方へ走り去った。
「おい、お前たち、そんなくだらんことをしゃべるひまがあったら、甲板へ上って、この汽船がどうなったのか、ようすを見てこい!」
隅っこの席で、ゆうゆうとまだ飯をくっているカナリヤ使の老芸人鳥山が、どなった。
「ああ、そうだ。じゃあ、大冒険だが、ちょっといって、見てこよう」
「待て、おれもついていってやる」
若い団員が二人、猿のようにすばやく、昇降階段をよじのぼっていった。
甲板の方できこえた爆音のような大きな音は、一発きりで、あとはきこえなかった。もっとつづけさまに、爆撃されるだろうと、ふるえあがった船客たちは、このとき、ようやく人心地に戻った。
「おや、爆撃は一発でおしまいで、もう怪飛行機はにげていったか」
「ちがうよ。爆弾なんか落しやしない。あの飛行機は、ただこの船の上を飛んで、われわれをおどかしていっただけだ」
房枝も、そのころ、ようやくわれにかえったのだった。ふと気がついて、あたりを見廻すと例の謎の青年曾呂利本馬が、テーブルに頬杖ついて、こわいような顔で、なにか考えこんでいる様子であった。