Japanische Klassiker mit Furigana
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ちちのそうしき
父の葬式
葛西 善蔵
Lesen Sie 父の葬式 (ちちのそうしき) von 葛西 善蔵 (かさいぜんぞう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 5.864 Zeichen · 12 Bildschirme
そこへ位牌堂から先祖の位牌が持ちだされて、父の遺骨が置かれた。思いがけなかった古い親戚の人たちもぼつぼつ集ってきた。村からは叔父と、叔母の息子とが汽車で来た。父の妹の息子で陸軍の看護長をしているという従弟とは十七八年ぶりで会った。九十二だというが血色といい肉づきといい、どこにも老衰の兆しの見えないような親戚の老人は、父の子供の時分からのお師匠さんでもあった。分家の長兄もいつか運転手の服装を改めて座につき、仕出し屋から運ばれた簡単な精進料理のお膳が二十人前ほど並んで、お銚子が出されたりして、ややいなかのお葬式めいた気持になってきた。それからお経が始まり、さらに式場が本堂前に移されて引導を渡され、焼香がすんですぐ裏の墓地まで、私の娘たちは造花など持たされて形ばかしの行列をつくり、そこの先祖の墓石の下に埋められた。お団子だとか大根の刻んだのだとかは妻が用意してきてあった。それから後に残った人たちだけ最初の席に返って、今度は百カ日の供養のお経を読んでもらった。それからまた、ちょうどパラパラ落ちてきた雨の中を、墓まで往復した。これで百カ日の法事まですっかりすんだというわけであった。