Japanische Klassiker mit Furigana
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かたこい
片恋
Lesen Sie 片恋 (かたこい) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 4.505 Zeichen · 10 Bildschirme
」「少くとも夢なんぞは感覚的なだけに、なおそうらしいね。小説の中に出て来る夢で、ほんとうの夢らしいのはほとんど一つもないくらいだ。」「だが、恋愛小説の傑作は沢山あるじゃないか。」「それだけまた、後世にのこらなかった愚作の数も、思いやられると云うものさ。」)
そう話がわかっていれば、大に心づよい。どうせこれもその愚作中の愚作だよ。何しろお徳の口吻を真似ると、「まあ私の片恋って云うようなもの」なんだからね。精々そのつもりで、聞いてくれ給え。
お徳の惚れた男と云うのは、役者でね。あいつがまだ浅草田原町の親の家にいた時分に、公園で見初めたんだそうだ。こう云うと、君は宮戸座か常盤座の馬の足だと思うだろう。ところがそうじゃない。そもそも、日本人だと思うのが間違いなんだ。毛唐の役者でね。何でも半道だと云うんだから、笑わせる。
その癖、お徳はその男の名前も知らなければ、居所も知らない。それ所か、国籍さえわからないんだ。女房持か、独り者か――そんな事は勿論、尋くだけ、野暮さ。可笑しいだろう。いくら片恋だって、あんまり莫迦げている。僕たちが若竹へ通った時分だって、よしんば語り物は知らなかろうが、先方は日本人で、芸名昇菊くらいな事は心得ていたもんだ。