Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎゅうにくとばれいしょ

牛肉と馬鈴薯・酒中日記

国木田 独歩

Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme

Aozora Bunko

自分は懐中から三円出して火鉢の横に置き、

「これは二円不足していますが、折角お政が作らえて置いたのですから、取って下さい、そう為ませんと……」

「最早不用ないよ。だから私も二度とお前達の厄介にはなるまいし。お前達も私のようなものは親と思わないが可い。その方がお前達のお徳じゃアないか」

「母上さん。貴女は何故そんなことを急に被仰るのです」と自分は思わず涙を呑んだ。

「急に言ったのが悪けりゃ謝まります。そうだったね、一年前位に言ったらお前達も幸福だったのに」

何という皮肉の言葉ぞ、今の自分ならば決然と、

「そうですか、宜しゅう御座います。それじゃ御言葉に従がいまして親とも思いますまい、子とも思って下さいますな。子とお思いになると飛だお恨みを受けるような事も起るだろうと思いますから。就いては今日私の机の抽斗に百円入れて置きましたそれが、貴女のお帰りになると同時に紛失したので御座いますが、如何がでしょう、もしか反古と間違ってお袂へでもお入になりませんでしたろうか、一応お聞申します」と腹から出た声を使って、グッと急所へ一本。

「何だと親を捕えて泥棒呼わりは聞き捨てになりませんぞ」