Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎゅうにくとばれいしょ
牛肉と馬鈴薯・酒中日記
国木田 独歩
Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme
牛肉と馬鈴薯
明治倶楽部とて芝区桜田本郷町のお堀辺に西洋作の余り立派ではないが、それでも可なりの建物があった、建物は今でもある、しかし持主が代って、今では明治倶楽部その者はなくなって了った。
この倶楽部が未だ繁盛していた頃のことである、或年の冬の夜、珍らしくも二階の食堂に燈火が点いていて、時々高く笑う声が外面に漏れていた。元来この倶楽部は夜分人の集っていることは少ないので、ストーブの煙は平常も昼間ばかり立ちのぼっているのである。
然るに八時は先刻打っても人々は未だなかなか散じそうな様子も見えない。人力車が六台玄関の横に並んでいたが、車夫どもは皆な勝手の方で例の一六勝負最中らしい。
すると一人の男、外套の襟を立てて中折帽を面深に被ったのが、真暗な中からひょっくり現われて、いきなり手荒く呼鈴を押した。
内から戸が開くと、
「竹内君は来てお出ですかね」と低い声の沈重いた調子で訊ねた。
「ハア、お出で御座います、貴様は?」と片眼の細顔の、和服を着た受付が丁寧に言った。
「これを」と出した名刺には五号活字で岡本誠夫としてあるばかり、何の肩書もない。受付はそれを受取り急いで二階に上って去ったが間もなく降りて来て