Japanische Klassiker mit Furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lesen Sie 犬田卯短編集 一 (こぶ) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.259 Zeichen · 96 Bildschirme
当時、土地は値下りの絶頂で、この地方では水田反三百円ないし三百五十円、畑百五十円ないし二百円どまりであった。一々相手になったのでは無論のこと家屋敷まですっぽろったって足りはせぬ。
いったい、どうしてこんな破目に……俺の信用というものが……。むしろ瘤と一戦を交えたことによって――彼はあれをきっかけにあくまでやる覚悟をきめていたのである。――村民の信望をかち得たはずの俺ではなかったのか。
しかるに……考えると頭が痛かった。二日も三日も、彼は一室にこもったきりで、財産目録を傍に、切り抜け策をとうとうはじめなければならなかったのである。
「あんた、お巡りさんよ。」
妻の心配そうな顔が、障子をあけて……。それはもはやどうにも対策が考えつかず、いっさいを投げ出して再び満鮮地方へでも出かけようかと捨鉢な気持さえ起りかねない矢先だった。
「なんでしょうね、あんた……」と妻は心配そうに重ねていっている。
「何かな、別に、俺、ケイサツに用のあるはずもねえが……」
「今日は……田辺さん――」と巡査の呼びたてる声。
「あい、何か用か……」
出て行くと、村の巡査は、ばか丁寧に、少し世間話をやってから、