Japanische Klassiker mit Furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lesen Sie 犬田卯短編集 一 (こぶ) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.259 Zeichen · 96 Bildschirme
米
一
三間竿の重い方の鋤簾を持って行かなければならぬ破目になって、勝は担いでみたが、よろよろとよろめいた。小さい右肩いっぱいに太い竿がどっしりと喰いこんで来て、肩胛骨のあたりがぽきぽきと鳴るような気がする。ばかりでなく二足三足とあるき出すと、鋤簾の先端が左右にかぶりを振って、それにつれて竹竿もこりこりと錐をもむように肩の皮膚をこするのだ。勝は顔中をしかめながら亀の子のように首をすくめて、腰で歩いた。
「愚図々々しているから、そんなのに当るんだで。」
あとから軒先を出た母親のおせきが見かねるように言って、そのよたよたした勝の恰好に思わず微笑した。
軽い方の鋤簾は、股引を穿いたり手甲をつけたり、それからまた小魚を入れるぼて笊を探しあぐねているうち、兄の由次に逸早く持って行かれてしまったのである。勝からいえば自分にあてがわれたその股引と手甲が、ことに股引が――それは昨秋東京の工場へ行った長兄がそれまで使用していたもので、全くだぶだぶで脚に合わず、上へ引っ張ってみたり下の方で折り曲げてみたり、ようやくのことで穿いたというような理由で、それで由次に遅れを取ってしまったので、