Japanische Klassiker mit Furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lesen Sie 犬田卯短編集 一 (こぶ) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.259 Zeichen · 96 Bildschirme
おせきは次の瞬間、自分を取りかえして、その母親の、いつものような姿態を見ると、むらむらと腹が立った。
「なんだか、おっ母さんら――」とおせきは突慳貪に叫んで、ヨシ子の枕頭からその見るに堪えないものを追いのけるように、自分の身体をぐいと持って行った。
「なんだかではあるめえ、痛がって騒いでいるの見て黙っていられっか。」
お常はそれでも娘に遠慮して――そうしなければいられないものを彼女は持っていた――一歩そこから膝で後退した。
「いいから、おっ母さんに構ってもらいたくねえから、はア、帰ってくろ。」
「言われなくたって帰っけんどな。」そう押しかぶせて、「おせきら、俺にいつまでそんなつんつんした口きいていんだ、ようく考えてしねえと、はア、損だっぺで。」
「損でも得でも、俺ら、そんなことはどうでもいいんだ。ひとに嗤われたくねえから、俺ら、していんだから……」
投げつけてからおせきは、傍につくねんと立っているおさよに向って昂ぶる胸のうちを奔注させた。
「赤玉飲ませたのか、あれほど言ったのに、……飲ませりゃ、こんなにならないうち癒ってしまアんだ。」
「だってお母さんは……いくら飲ませたって、げっげっ……と吐いてしまうんだもの、しようあっかい。