Japanische Klassiker mit Furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lesen Sie 犬田卯短編集 一 (こぶ) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.259 Zeichen · 96 Bildschirme
知らないから、死ぬとも生きるとも。」そんなことまで口走った彼女だったが、いまこうして見違えるほどな若者になって帰っているのをみると、やはり出してやるしかなかったし、出してやってよかったのだろうと、思いかえさざるを得なかった。
「兄ちゃん、遊びに行ってみべえ」とおちえが言ってもう甘えかかっていた。ヨシ子は相変らず黙っているが、貰ったお菓子をうれしそうに眺めて、そしてまだ口へは持ってゆかず、食べてもいいのか、怒られやしないのかというように、時々母親の方をうかがった。
「兄ちゃん、いつまでいんだ。あいよ、大きい兄ちゃん。」おちえがまたしても訊ねかける。
「今日けえるのか、あいよ。」
勇は最初答えようとしなかったが、うるさく言われて、
「はア、東京さなんど行かねえよ、こんどは遠いところさ行くんだ」と何かしら母に気がねするように、しかしわざと聞かせるかのようにも言うのであった。
おせきはそのことを感じて、
「勇ら休暇かい。それとも何か用があってかえって来たのかい。」竃の前から訊ねかけた。
「うむ――」と勇は生返事した。
勇を北満の開拓にやってもらえまいか、ということは村の青年学校の先生からの、前々からの懇望だったのである。