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Japanische Klassiker mit Furigana

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こぶ

犬田卯短編集 一

犬田 卯

Lesen Sie 犬田卯短編集 一 (こぶ) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.259 Zeichen · 96 Bildschirme

Aozora Bunko

橋の上

一

「渡れ圭太!」

「早く渡るんだ、臆病奴!」

K川に架けられた長い橋――半ば朽ちてぐらぐらするその欄干を、圭太は渡らせられようとしていた。――

橋は百メートルは優にあった。荷馬車やトラックや、乗合自動車などの往来のはげしいために、ところどころ穴さえ開き、洪水でもやって来れば、ひとたまりもなく流失しそうだった。

学校通いの腕白どもは、しかしかえってそれを面白がった。張られた板金が取れて、今にも外れそうになっている欄干へ、猿のように飛び乗り、ぐらぐらとわざと揺すぶったり、ちびた下駄ばきで、端から端までその上を駈けて渡ったりした。

たいがいの腕白ども――否、一人残らず彼らは手放しなんかで巧みに渡った。渡れないのは圭太一人くらいのものだった。

三年四年の鼻たれでさえ渡るのに! しかも高等二年生の、もう若衆になりかかった圭太に渡れない!

これは悲惨な滑稽事でなければならなかった。

第一、餓鬼大将の三郎(通称さぶちゃん)の気に入らなかった。彼は権威をけがされたようにさえ思った。

もっとも、圭太はさぶちゃんの配下ではなかった。誰の配下にも属せず、一人、仲間はずれの位置に立っている彼だった。