Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lesen Sie 犬田卯短編集 一 (こぶ) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.259 Zeichen · 96 Bildschirme
というのは、さぶちゃんの腕力が怖いばかりに、誰も彼もさぶちゃんの好きそうなもの――メダルだとか、小形の活動本だとか、等々を彼に与えて、彼の機嫌を取り、その庇護の下に小さい自負心を満足させようとあせったのに、圭太には、それが出来なかった。長らく父が病みついている上に、貧しい彼の家は、碌々彼を学校へよこすことも出来ないのだった。
さぶちゃんの家は村の素封家だった。K川に添った田や畑の大部分を一人占めにしているほどの物持ちで、さぶちゃんはその村田家の次男だった。三年ほど、脳の病とかで遅く入学して、ようやく高等二年生になるはなったが、算術などは尋常程度のものでさえ碌に出来なかった。
彼の得意とするところは、自分より弱いものを苛めることにあった。すでに「声がわり」のした、腕力といい、体格といい、すっかり若衆の彼に敵対するものは生徒中には一人もなかった。師範を出て来たばかりの若い先生でさえ、さぶちゃんに対しては一目おかなければならなかった。
勿論、それは彼の家柄が物をいう故でもあったが、海軍ナイフを振り廻すくらい何とも思っていないさぶちゃんへの気おくれもあったのだ。