Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme
そしておれが変な応対をすると、手を打って笑いころげるのだ。東京の人間って、薄情な奴が多いよ。しかしもう慣れた』
環境が変ると、すばやく適応出来ない。まごまごする。そんな性質がおれにあるが、城介にもたしかにあると、その一節を読んだ時栄介は考えた。
(つまりおれたちは、不器用な性質を分け合ったんだ)
「矢木さん。かかってますぜ」
加納は栄介に注意をした。栄介はあわてて糸をたぐり上げた。ハゼがくっついて上って来たが、すでに釣針を腹中深くのみ込んでいた。
「部隊には兵舎はないんです」
加納は栄介のハゼを受取り、へらを器用に使って針をはき出させながら答えた。
「民家を接収して、そこに寝起きする。テレビの軍隊ものなどで、よく内務班の光景が出て来るね。わたしたちの内務班は、あんなものじゃなかった。だからテレビを見ても、ぴんと来ないね」
「民家というと、やはり独立家屋の――」
「独立? いや、独立でもない。大家族主義、同族主義というのかな。とにかく一廓が三千坪くらいあってね」
周囲にぐるりと土塀をめぐらしている。その中に家が幾十棟も立っている。ごちゃごちゃと不規則に立っている。