Japanische Klassiker mit Furigana
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くるいだこ
狂い凧
梅崎 春生
Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme
二
「さっきから言ったように、コブは関係ないんだよ。ずいぶん君はコブにこだわるな」
栄介は小さなあくびをした。
「おれは少し疲れた。眠い」
「こだわるわけじゃないが、僕は何と言うか、はみ出たものが好きなんだよ。好きというより、興味がね」
私は帰り支度を始めながら言った。
「その脂肪腫というのは、体に害をなす輩じゃないんだね」
「そう。悪質の肉腫などとは違う。皮下に脂肪がたまるだけで、もっとふくらんで来れば切開して、フクロごと取り出せばいい。何でもないんだよ」
栄介はけだるそうに眼を閉じた。
二
矢木栄介は寝床の上に腹這いになり、顔を枕に伏せて、ギプスベッドをつくらせていた。顔をまっすぐ伏せるのは、背筋を正しくするためで、うつぶせになるのは、背を丸めないためである。人間は腹這いになると、どうしても背を反らす。
しかし栄介は時々顔をずらしたり、横眼を使ったりして、その作業の内容をぬすみ見ていた。何をされるかわからない不安が、彼をそうさせた。
背中は木綿の布でおおわれていた。
助手が幅広い包帯をひろげる。石膏の紛らしきものを、まんべんなくまぶす。それを熱い湯にひたす。