Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

「いや。表情じゃなく、中毒者はやはり顔色が土色になるとか何とか、変化があるんじゃないのかな」

「そうだねえ」

加納は半纏の袖を引っぱりながら、しばらく考えていた。

「顔色は変っていなかった。仔細に見ればいくらか変化があったかも知れないが、態度も快活で、元気そうだったね。パイチュウを飲んで、面白いことばかり言っていたことは覚えていますよ」

加納はパイチュウを口に含んだ。

「でも、以前よりもパイチュウの量は殖えたようだった。いくら飲んでも酔わない。身体はふらふらしているのに、意識だけはしっかりしている。そんな印象を受けましたね。それとパビナールと、関係があるのかどうか知らないけれどね」

その翌々日、開設要員二百名は、汽車に乗って南下した。北京を通過して、天津に近づく。この線は三年ほど前、城介たちが初年兵として、一路大同に北上した線路である。あの時は窓にシェードをおろし、窓外をのぞき見るすべもなかったが、今度はつぶさにそれを眺めることが出来た。単調なままで、その地形や風物は、南下するにつれて、微妙な変化を見せて来る。やがて天津駅に到着。そこから大沽へ支線が出ている。