Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

「バナナ、おいしかったですかね?」

私は訊ねた。

「バナナはもぎ立てはダメで、追熟させないとうまくないと聞いたが――」

「いや。うまかったですよ」

加納は答えた。

「しかしパイナップルは案外不味かった。がさがさしててね。あれだけは罐詰に限ると思った」

バナナを食べ過ぎて、下痢患者がすこし出た。現地に行けばいくらでも食べられるというわけで、廃棄を命じられた。衛生部隊から病人を出しては、威信に関するのである。

そして香港に到着。第二陸軍病院が開設された。第一陸軍病院は香港の本島にあったが、第二は九竜地区である。開設と言っても、建物を新しく建てるのではなく、接収家屋をそれにあてるのだ。セントラルブリティッシュスクールを接収して第一分院となし、加納と城介らはそこに配属されることになった。第一分院は小高い丘の上にあった。見渡すと、内地の街と違って色彩が強く、紺青の海の色によく似合った。海には船舶がいくつも動いたり、停泊したりしていた。何かそれは玩具じみて見えた。

「城介君はあまり風景に興味を持たないたちだったね。皆が感嘆して見ていると、何だい、絵ハガキみてえじゃないかって、軽蔑するような言い方をしただけだったよ」