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Japanische Klassiker mit Furigana

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くるいだこ

狂い凧

梅崎 春生

Lesen Sie 狂い凧 (くるいだこ) von 梅崎 春生 (うめざきはるお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 111.430 Zeichen · 226 Bildschirme

Aozora Bunko

「捨てたのは、確かにおれだよ」

「何故そうなる前に、おれに相談しなかったんだ!」

加納は詰め寄るようにして言った。

「その前に言って呉れりゃ、どうにでもなったのに」

城介はしばらく黙っていた。やがてだるそうに口を開いた。

「もう部隊長に報告が行ったのか?」

加納はうなずいた。

「そうか」

城介は投げ出した本を拾い、丁寧に頁を揃えた。うつむいたまま言った。

「相談したって仕方がない。お前には判りっこないよ。おれのことは、おれが始末する」

「始末出来るわけがないじゃないか。病院に入れよ」

やがて部隊長から呼出しが来た。部隊長は中田という軍医で、香港から戻って少佐に進級していた。進級のことばかり考えている陰性な性格の男で、部下に対する思いやりのないエゴイストとして、評判が悪く嫌われていた。そこでどういう会話がなされたのか、加納は知らない。入院加療を命じられたには違いないが、城介は拒否した。

「拒否することが出来るんですかね?」

私はすこし驚いて加納に聞いた。

「上官の命令は絶対的なものでしょう」

「原則としてはそうですがね――」

加納は奥歯を噛みしめるようにして、ちょっと考えた。