Japanische Klassiker mit Furigana
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きょうかしあかちょこべえ
狂歌師赤猪口兵衛
夢野 久作
Lesen Sie 狂歌師赤猪口兵衛 (きょうかしあかちょこべえ) von 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 39.418 Zeichen · 79 Bildschirme
「その上に、これも松倉どんから聞いた話じゃが、あの蔵元屋の後妻が野西の尻に付いて、場所もあろうに大目付の役宅へシャシャバリ出て『可愛い娘を祝言前に殺されて妾ゃ行く末が暗闇になりました。この下手人がわからねば妾ゃ死んでも浮かばれまっせん。そう思うております故、あれから毎晩、腰から下、血だらけになった娘のお熊が枕上に立ってサメザメと泣きまする』とか何とか言うて高声を立てて泣き崩れたとか言う話じゃが……」
「ふうむ。そこいらの話がダイブ臭いのう。芝居も大概にせんと筋書が割れるが……」
「さればと言うて臭いという証拠は何処にも在りゃせん」
「アハハ。五十五万石の大目付、丸潰れと来たなあ」
「それでももしや、お熊の縁談から起った意趣、遺恨じゃないかと思うて、襟半の方へ探りを入れてみると、花婿の半三郎も、今は隠居しとる父親の半左衛門夫婦も、神信心の律義者という評判に間違いないらしい」
「それは毛頭間違いない。質素とした暮し向きでもわかる」
「のみならず、結納まで済んだ話が、寝返りを打たれそうになっている事なぞはツイこの頃まで気付かずにおったらしく、騒動の起ったその日までコツコツと祝言の準備をしておった様子。