Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 68.020 Zeichen · 131 Bildschirme

Aozora Bunko

いいあんばいに裏が空地になっているから、ポプラーの蔭か雑草の中にでも身を潜めて、リリーが外へ出て来るのを気長に待っているより外に手はないのだが、生憎なことに、こう暗くなってしまっては、出て来てくれても中々発見が困難であろう。それにもうそろそろ初子の亭主が勤務先から帰って来るであろうし、晩飯の支度で勝手口の方が忙しくなるであろうから、そういつ迄も空巣狙いみたいにうろうろしている訳にも行かない。とすると、もっと時間の早い時に出直す方がいいのだけれども、しかしリリーに会える会えないは二の次として、久し振に女房の眼を偸んで、彼方此方を乗り廻せると云うことだけでも、愉快でたまらないのであった。実際、今日を外してしまうと、こう云う時はもう半月待たないと来ないのである。福子はおりおり親父の所へお小遣いをセビリに行くのだが、それが大体一と月に二度、お朔日前後と十五日前後とにきまっていて、行けば必ず夕飯を呼ばれ、早くて八九時頃に帰るのが例であるから、今日も今から三四時間は自由が楽しまれるのであって、もし自分さえ飢えと寒さに堪える覚悟なら、あの裏の空地に、少くとも二時間は立っている余裕があるのである。