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Japanische Klassiker mit Furigana

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ねこせんせいのべん

猫先生の弁

豊島 与志雄

Lesen Sie 猫先生の弁 (ねこせんせいのべん) von 豊島 与志雄 (とよしまよしお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.898 Zeichen · 8 Bildschirme

Aozora Bunko

この両先生の論争は、実は数回に亘り、もっともっと微細を極めたものであって、店の料理と一緒に酒の佳肴に供されたのである。それを茲に要約するに当って、猫の先生たる私は、いくらか猫にひいきしたかも知れないが、然し、後になって、犬の先生が猫を飼ったということを聞いたのは愉快だった。その小料理屋は戦災に焼けてしまったし、犬の先生の消息も途切れた。だが私は、未だ嘗て犬を飼ったことはない。

その代り、猫のために不思議な経験をしたことがある。

私の家には、廊下の奥の扉の下部に、猫の自由な出入口がある。約四寸四角ぐらいな穴で、そこに板戸をぶらりとおろし、内からでも外からでも突き開けられるようになっている。内部は廊下であり、外部には古い石像の踏み台がある。猫は利口で、そこを数回出入りさせると、あとは独りで自由に通行するようになる。

もともとこの家は、貧乏な私に不時の以外な収入があり、それをふしだらに浪費していたところ、ロザリヨと称するグループの友人たちが、よってたかって家屋建築費だけを強奪し、そして出来上ったものなのである。設計などすべて友人たちに任せたが、ただ二つ私は註文を出した。