Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 374.755 Zeichen · 745 Bildschirme
朝子は止まろうかどうしようかということについて非常に考え、自分が自分として書くべきものがどういうものでなければならないかということは、そこの三年の成長でわかって来ている。しかし作品として真実にそれを描けるだろうか、その生活の絵模様の中に自分が体で入って描き出している線というものはないことを考え、より困難のあるところへ今はかえることの方がより誠実な態度であると思う。「そのかげには保のいのちをも裏づけているこの三年よ、もし自分をここに止めようとする好意があるならば、これから自分が又ころんだりおきたりして経てゆこうとする、その態度もよみしてくれるだろう」そういう気持でかえる決心をする。そういうことです。保というのは「おもかげ」の中で語られている朝子の弟で、自殺した青年です。保という名で「伸子」の中に出ています、小さい男の子として、シクラメンの芽生を犬にふまれて泣いている子供として。朝子は「おもかげ」でも朝子。「一本の花」の中で只或る仕事をしてそれで自分の暮しも立ててゆく、それで女の生活の独立はあるように思われているが、人間の仕事とはそこに尽きるものだろうか、と職業と仕事との本質について疑いを抱く女が、朝子です。