Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.952 Zeichen · 130 Bildschirme
八月二十二日
スエコはザンバラ髪で、ベートーヴェンが生き変った如き有さまです。あんまり、細い字を書こうとする時は、こちらから見ると、歯の間から少し舌が出そうな風です。ヤス子は、相変らず。国男サンも。今日は、爽かですが、又いくらか暑いからどうぞくれぐれもお大事に。(二)
八月二十二日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 封書)〕
あんまり葉書がつづきましたから、今日は手紙に致しましょう。人の気持は面白くて、違った筆で書かれるのを封すると、何だかそぐわない気がして居ましたが、寿江子なら封しても息づまるような想いもしなそうです。今日は日曜で幾分かのんびり。太郎も休みで小鳥を眺めてたんのうしている父さんのそばにくっ付いている様子です。昨夜ねる時、太郎が父さんに「お父ちゃま、いつになったら一緒にねてくれる?」と隣りの部屋で訊いているのを聞いて、大変可愛く思いました。太郎は今、学校が始まったから、下の部屋に小ちゃい叔母ちゃんとねんねで、親達は泰子を連れて、二階へ、別々ですから。私が二階の上り下り出来るのはいつのことでしょう。太郎はそれまで待たなければならないかも知れません。