Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.952 Zeichen · 130 Bildschirme

Aozora Bunko

十二月七日

毛糸も子供二人分なかなか手に入らず、先ず一人だけ送りました。あとはまた店に出た時みつけて送りましょう。

今日は百合ちゃん大ヘバリです。だからこれでおやめ。今、食堂に居たところ、先ず大きな大きな海苔まきのような毛布包みの泰子を抱いて寿江子が現われたと思ったら、ホゲーホゲーという声を先立てて、赤ちゃんを抱いたああちゃんが続いて御出現。泣き合せという光景です。御想像がつきますか? 私は二階へ上らざるを得ないでしょう。ざっとこんな始末よ。では風邪をお大事に。

健之助は健啖之助とつけるべきでありました。ああちゃんをみていると、年中粉ミルクをかきまわしています。

十二月七日

十二月七日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 コロー筆「ナポリ」の絵はがき)〕

十二月七日、夕刻電報拝見しました。ああ本当にこういうこともある、とすぐ駒込郵便局へペンさんに電話してもらったところ、この頃ずっと小包みは受付けない由、手紙だけ。それも不定期で、その時になってみなければ、飛ぶか飛ばないかわからないということでした。折角の思いつきも右の始末ですが、今日手紙に書いたように、もし島田の人が本当に心配をするなら、二度目の速達の品を揃える時間はあったわけですから、すべてが徒労になったわけでもあるまいと思います。