Japanische Klassiker mit Furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Lesen Sie 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 65.952 Zeichen · 130 Bildschirme
十一月十一日
私は磨滅させたくないと思います。
本が出てそれをまず友達に送りたいと思うような、そういう本の出方はこの頃誰のところにもないらしい様子です。本屋の店頭には、割合お粗末なのがどんどん並べられているが、友達はそれをもらわないというようなのも現代風景です。
今日は一時間程本棚をいじりましたが、私達の本も文学史の勉強の為には、もう決して手離せない様なものだけになりましたね。大人の本箱になってきた。焼くのは本当に惜しいと思います。手に入らないばかりでなく、質的にもうない本ばかりですから。行き違いにお手紙が来るのでしょうね。誰も行く人がなくてごめんなさい。気にしています。
十一月十一日 〔巣鴨拘置所の顕治宛 駒込林町より(代筆 ピサロー筆「春」の絵はがき)〕
今、手紙の封をしたところへ六日附のお手紙頂きました。白水社の本のこと承知しました。夜具やタオル寝巻がお気に入ってその嬉しさは私一人ではありません。何しろ大した苦心をした人物がもう一人ここに控えているのだから。歯の金のことは調べます。全く、色変りの合金の歯などは歓迎でありませんから。注射について書いていて下すっているところが大分珍らしい御苦心のあとなので万々お気持がわかり全くそうよという気持です。